──1950年代の中頃、アメリカはもちろんのこと、イギリスの女性たちもラジオから次々と流れてくるエルヴィス・プレスリーの声に心を奪われていた。
デヴィッド・ボウイの母ペギーは、自分の息子の誕生日がエルヴィスと同じということから、勝手に運命的なものを感じていたという。
「母から繰り返しエルヴィスの曲を聴かされたよ。母はその勝手な思い込みのおかげで、すっかり有頂天になっていたよ(笑)」
発売されたばかりのエルヴィスの「Hound Dog」に合わせて、母や叔母が体を激しくゆらして踊る姿を見て、彼は今まで感じたことのない感覚を感じたという。
「当時8歳だった僕にとって彼の歌は衝撃的だったよ。音楽の持つパワーを生まれて初めて実感した瞬間だった。そのあとすぐにレコードを集め始めたんだ。」
その後、二十歳にしてデビューを果たした彼は、1970年以降、ギタリストのミック・ロンソンをサウンド面での相棒として迎えグラムロックへと傾倒してゆく。
1972年に発表した5thアルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』で、ロックスターとしての地位を確立。
当時、スターダムにのしあがろうというその時でもなお、彼はエルヴィスをリスペクトしていたという。
“ギング”の姿、歌声を前にすると、一瞬でファンの立場に戻ってしまうほどだった。
1972年6月、当時25歳だった彼は、ミック・ロンソンと共にイギリス(ヒースロー空港)からニューヨークに向けて出発した。
目的はエルヴィスのショーを観るためだった。
昼の便に乗り“キング”の登場にちょうど間に合うようにマディソンスクエアガーデンに到着するつもりだったが、飛行機の都合で少し遅れて到着した。
二人が会場に入ると、ショーはもう始まっていたという。
当時、デヴィッド・ボウイはエルヴィスと同じレコード会社(RCA)に属していたため、彼らには特等席が用意されていた。
エルヴィスが「Proud Mary」を熱唱している最中に、厚底のロンドンブーツを履いて、髪の毛を真っ赤に染めたデヴィッドが“ジギー”の格好で入ってきたものだから、客席はざわめき、ショーは中断されたも同然だったという。
後年、デヴィッドはその日のことをこんな風に語っている。
「僕には彼が思っていることが手にとるようにわかったよ。“あのろくでもない奴らは誰だ?さっさと座りやがれ!”ってね。あの時は本当にばつが悪かったよ。あの格好じゃ見逃すわけないよ。」
当時、デヴィッドが作曲を担当して、エルヴィスと一緒に仕事をする話もあったという。
当然デヴィッドは是非やってみたいと思っていたが、実現することはなかった。
二人のスターは、表舞台で交わることはなかったが…
ジギースターダストのツアーの時に、エルヴィスがデヴィッドに短い手紙を送っていた。
「ツアーの成功を祈っている。」
デヴィッドは、その手紙をずっと大切にしていた。
彼は日頃から、バンドメンバーやスタッフの前でエルヴィスのモノマネを披露したりして周囲を楽しませていたという。
イギリス人のデヴィッドがアメリカ南部訛りを完璧にコピーしていたというから、相当のリスペクトがあってのことだろう…
<引用元・参考文献『デヴィッド・ボウイ 気高きアーティストの軌跡』ウェンディ・リー(著)江上泉(翻訳)/ヤマハミュージックメディア>
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