★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第321回〜ORANGE〜
1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。1月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?
あなたの好きな色は?〜TAP the COLORのバックナンバーはこちらから
エルヴィス・プレスリー『Elvis』(1956)
キング・エルヴィスのセカンドアルバム(5週1位)。ここでエルヴィスのヒットチャート記録を振り返ろう。まずはシングル。165曲がチャートイン(歴代1位)、うちTOP10ヒットが38曲(歴代1位)。その中には18曲のNo.1(歴代2位)、6曲のNo.2が含まれる。アルバムも凄まじく、チャートインは130枚(歴代1位)、うちTOP10ヒットは27枚(歴代5位)。その中にはNo.1が10枚(歴代3位)を含む。*なお、記録は1955年以降のビルボードチャートを参照。
![](http://www.tapthepop.net/wp/wp-content/uploads/2019/01/R-5469212-1394149796-5638.jpeg.jpg)
そのエルヴィスが登場する以前、ポップチャートの常連でアイドル的存在だったのがエディ・フィッシャー。1950年代前半から半ばにかけて絶大な人気を誇った歌手の大ヒット作(15週1位)。実はロックンロールがすべてを飲み込む寸前こそ、アメリカ音楽の黄金期だったという見方もある。パティ・ペイジ、ペリー・コモ、ジョー・スタッフォード、ナット・キング・コール、フランキー・レイン、レス・ポール、ビング・クロスビーらがヒットを飛ばしていた時代。カントリーやR&Bチャートにも多彩な顔ぶれがあった。
![](http://www.tapthepop.net/wp/wp-content/uploads/2019/01/5074e89eb48cd0fa1b3a1aade43d5163d901270d-600x600.jpeg)
ホイットニー・ヒューストン主演の女性映画『ため息つかせて』のサントラ(5週1位)。『ボディガード』(1992)以来の主演作と主題歌というだけあって話題を集めた。11曲あるNo.1ヒットの最後となった「Exhale (Shoop Shoop)」や「Count On Me」を収録。しかし時代は着実に新しいタイプのR&Bシンガーたちが台頭。あれだけ人気を誇った彼女も、大ヒットから見放されていく。
(こちらのコラムもオススメです)
ホイットニー・ヒューストンが一番大切にしていた歌「Greatest Love of All」
![](http://www.tapthepop.net/wp/wp-content/uploads/2019/01/51w6xxk5WAL.jpg)
今や世界的なスーパースター歌手となったジョシュ・グローバンのセカンド(1週1位)。日本でもお馴染みとなった「You Raise Me Up」を収録。17歳の時、グラミー賞のリハーサルでセリーヌ・ディオンとデュエットしたことをきっかけに注目。20歳の時にデビューアルバムをリリースした。ロックやブラックミュージックのファンは見向きもしないが、それは偏見。音楽性は極めて高い。
The post 1月のナンバーワンアルバム⑨〜エルヴィス・プレスリー/ジョシュ・グローバンほか appeared first on TAP the POP.